環境アートに関するワークショップ②

DCIM0469

無意識を意識すると空間は立ち上がる。
普段何気なく見過ごしている風景をよく見て新たな想像を加える。

環境アートについてのワークショップ2時間目。座学。

今回のワークショップで目指すのは作品を展示することではなく、計画を立てること。

作品の完成予定図とタイトル、コンセプトを八つ切り画用紙に描いて、グループディスカッションの形でプレゼンをし、今回のワークショップは完成となります。

さて二時間目の講義内容は座学。
地域の芸術祭が行われることでその地域に何がおこるのか。
経済は?地域住民の反応は?来場者は?

瀬戸内国際芸術祭2010終了後のアンケートを資料をもとに講義しました。
またこの春講師である私自身が実際に瀬戸内国際芸術祭に行き感じた地域の人との交流や街の様子などもレポート。
そしていよいよあいちトリエンナーレ開催の土地として選ばれた豊橋市水上ビル商店街の話。
こちらは豊橋で行われたトリエンナーレスクールで伺った話も紹介しながら講師の意見も交え、また参加者にもどう思うか問いかけながら進めて行きます。

講師は今まであいちトリエンナーレ、横浜トリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭に何度か足を運びました。(残念ながらまだ新潟にはいけていません。)
またそれ以外にも地域主催のアートイベントにもいくつか足を運んだり、時には出品側として参加しています。

その場所で展示するためには誰に許可を取ればいいのか、どのように許可を取るのか。
例えばクリストとジャンヌクロードの作品のように膨大な布が必要な場合、個人が用意をするのか、協賛企業を募るのか。
(クリストとジャンヌクロードはドローイングやオブジェの収益によって制作しているそうです。)

今回のワークショップで彼らに経験してもらいたいのは、現代美術を理解するだけではなく、自分たちの普段過ごしている空間の魅力に気づくことと、その魅力を引き出すためにアートは良い手段のひとつであること。
そして目的を実現するためには、プレゼンテーション能力を身に着けること。

次回はプレゼンテーションをするために必要な資料作りです。
作品の構想は少しづつ固まってきました。

写真は春に瀬戸芸に行った先で見つけたトマソン。※1
どこに作品があるのかなって町をよく観察しながら歩くので自然と面白いものを見つけてしまうのです。
芸術を見に行ったら町の魅力も発見できたし、偶然知り合った地元の人においしい定食屋さんを教えてもらったり。
地域の芸術祭の魅力って、有名な芸術家の作品を見るってだけじゃない面白さがありますよね。

※1トマソン
赤瀬川原平さんらによる路上観察学会。超芸術。
町などに見られる無用の長物。建設途中だったり、解体途中だったりすることもある。
四谷階段などが特に有名。